2021年1月12日、朝鮮日報が伝えたところによると、韓国の味噌製品から極めて毒性の強い物質「アフラトキシン」が基準値を超えて検出されていたことが分かった。アフラトキシンは、コウジカビや他のカビから生成されるカビ毒素であり、肝炎や肝臓ガンを発生させる作用が極めて高い第1級の発がん性物質であるが、急性の食中毒も引き起こす非常に危険な毒素である。ごく最近では、今月12日に中国でアフラトキシンを含む麺製品を食べた1家7人が食中毒で死亡する事故が発生している。

韓国・食品医薬品安全処は、韓国国内の味噌製品、「手作り味噌」と「工場製造味噌」517件の検査を実施した結果、「手作り味噌」33個から、1キロ当たり10マイクログラムの基準値を超えるアフラトキシンが検出されたと発表した。検出されたのは「手作り味噌」のみからであったが、33製品と極めて多量であり、今回の検査全体からみた検出率は6.4%にも達する。

韓国で流通する味噌は主に、伝統的な手法で手作りされた「手作り味噌」と、工場で大量生産された「工場製造味噌」の2種類に分けられるが、素朴な味の「手作り味噌」は、近年需要が高まっているという。基準値を超えた製品は「手作り味噌」の製造過程で、味噌コウジにより生成された毒素アフラトキシンが残留したか、不衛生な環境で作られた結果、他のカビが混入・増殖し、毒素を生成したものと考えられる。

33製品のうち32製品は、市場に流通・販売される前に、全て押収され全量廃棄されたが、すでに販売された「ゼボンゴル味噌」には回収命令が下された。韓国・食品医薬品安全処は、「不適合製品を製造した業者に対し、行政処分を行った」「継続的な検査などを通じて、安全管理を強化する予定である」「今後、手作り味噌中のアフラトキシンを低減化させる方法を検討していく」と説明した。

 さて、韓国の伝統的な手法で作られる「手作り味噌」は、伝統的な味への回帰から需要が高まっているということだが、非常に強い毒素「アフラトキシン」が高い確率で検出されるなど、極めて危険な食品であると言うことが出来るだろう。なお、日本の食品会社や業者が製造し販売する味噌から、基準値を超えるアフラトキシンが検出された事例は今まで報告されていない。では、一体この差は何だろうか?この理由の1つは「コウジ」の違いである。

日本と韓国では、味噌の作り方にやや違いはあるようだが、大まかな工程は、原材料である大豆・コウジ・塩を混ぜ合わせ、発酵・熟成させた後、最後に水分を絞るという点では同様だ。この時、使用される味噌コウジには、日本では「ニホン・コウジカビ」が使用される。だが、このニホン・コウジカビはなんと、アフラトキシンをほとんど生成しないのだ。この理由は、日本の「麹屋」が数百年かけて品種選択し、無毒化したのが有力な説だとされている。

日本にはコウジを専門に売る麹屋が古くから存在し、1246年に記された京都・石清水八幡宮の資料には麹屋たちが販売場所を巡って争ったとの記述がある。麹屋はアルカリ性の灰をまぶして生き残ったコウジだけを選ぶという手法で、安全なコウジを選別していったようだ。すなわち、日本の職人たちは、近代的な品種改良の技術やバイオテクノロジーの存在しない時代から、安全な発酵食品や味噌を作るため、懸命の努力を続けてきたということになるのだ。

一方、韓国においても味噌作りは、日本同様古くから行われてきたが、こうした手法はとられなかったようだ。また、韓国でアフラトキシン入りの味噌が出来てしまう2つ目の理由は、不衛生な製造環境によって他のカビが混入して増殖し、毒素を生成するからだと考えられる。なお、韓国では今から23年前の1997年に、市販の手作り味噌から、基準値を超える1キロ当たり23マイクログラムのアフラトキシンが検出され、大きな問題となった。

その頃から、大学や民間などで、味噌中のアフラトキシンを低減させる方法として、日光に当てて熟成させる、熟成期間を長くする、炭を混ぜて吸着させる、コウジの菌を塩水で洗うなど様々な方法が試されてきたようだ。しかし、23年経った今も、韓国・食品医薬品安全処が、アフラトキシンの低減方法を検討すると発表していることからすれば、手法を確立するまでの段階には至っていないということになるだろう。

今回のテーマは「韓国の味噌から、基準値を超えるカビ毒素・アフラトキシンを検出!」でした。アフラトキシンは、1974年にインドで急性食中毒により106名が死亡する事故が発生するなど、極めて危険な毒素、発がん性物質です。韓国では、手作り味噌の33種類という大量の製品から、基準値を超えるアフラトキシンが検出されたということであり、現在においても、安全な味噌を作る技術は確立していない模様です。

コウジの品種改良を行ったり、日本のコウジを試すなど、様々な試行錯誤はなされてこなかったのか、疑問に感じられます。なお、日本で基準値を超えるアフラトキシンが検出される事例は、宮崎大学の実習田で作られた、米の1件を除くと、その他は全て、海外から輸入された製品でした。一方、韓国では味噌だけでなく、ここ数年間で流通・販売されたミックスナッツ、ピーナッツバター、トウモロコシ製品、ナツメグ、米、漢方薬などからも基準値を大幅に超えるアフラトキシンが検出され、商品回収や販売停止となっています。

また、中国では食用油、牛乳から基準値を超える量が検出されています。すなわち日本においては、アフラトキシンを含む海外からの輸入製品が、検査をすり抜けて売り場に並び、これを誤って購入し口にすることがないよう、十分な注意を払う必要がありそうです。

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